Gold1983_1985_20130421先週の相場で最も大きいニュースは、4月15日に起きた貴金属の急落だ。金・銀相場は、ここ2年間維持してきた下値サポートを割り込んだ以降、ほとんど戻りもないままである。

さて、左のチャートは、この急落を受けてElliot Wave Market Service.comに掲載された1983年から1985年の金相場のチャートだ。同サイトでは、このチャートと現在の金相場のチャートを比較している。
しかし、このチャート形状を見て、ふと気づいた人もいるだろう。このチャートと比較すべきなのは、現在の金相場ではなく銀相場ではないかと思う。
下のチャートは、現在の銀相場(XAG/USD)の日足チャートにエリオット波動を表示したもの。
XAG/USD_Daily_20130421
2011年4月25日に49.78ドルの高値をつけて以降、約2年の調整相場が続いている。この初動であった高値からの急落局面(図中灰色着色)のチャート形状は、1983~1985年の金相場における初動の形状とソックリだ。初動以降のチャートの形状についても、チャートパターンの出現順序こそ違えど類似している(調整波動のオルタネーションによるものだと思う)。
もし、今回の銀相場の下落が、1983~1985年の金相場に沿ったものとなるなら、銀相場はおそらく9月末まで下落すると思う。長引けば10月下旬までボトムを確認できないかもしれない。

エリオット波動から見ると底打ちのタイミングは10月下旬のほか、6月初旬、7月初旬にあるので、それぞれの時期には反転に注意する必要がある。
しかし、いずれにしても、もうしばらくは下落トレンドが継続しそうなので、割安感からの買いは控え、戻ればショートを構築することに専念した方が良さそうだ。
なお、下値目標値は少なくとも20ドルLowであり、20ドルを下回ることも、それほど難しいことではないように思う。