20110520eurusd

先週、EUR/USDは週初からジリジリ上昇したものの週末に急落し、その上昇分をほとんど吐き出してしまった。EUR/USDは5月9日前後に1.42midをつけて以来難しい相場展開が続いているが、5月12日高値1.44226を回復するまでは下落見通しが優勢だ。
上のチャートは、EUR/USDの1時間足チャートにエリオット波動をラベリングしたものだ。この波動カウントでは、EUR/USDは3波構成の下落波動の2波目(B波)を終え、C波へ移行しようとしているところだ。B波の形状がダブルスリーに見える(トリプルスリーにも見える)ので、先週の値動きが読みにくいものだったことも納得できる。

さて、C波が始まったと仮定すれば、EUR/USDは明日から明確な下落を開始するだろう。その目処は1.38水準であり、到達時期は5月26日前後になるはずだ。

しかし、この見通しには不安がある。それは貴金属相場の動きだ。5月7日の記事で銀相場は急落する見通しを示したが、先週銀は底堅く推移した。それは32〜36ドルにサポートゾーンがあるような値動きだ。また、週末EUR/USDが下落するのに対して、金相場と共に上昇傾向を示した。対ドルで貴金属とユーロの値動きが異なっていることを踏まえると、ドル強気という訳でもなさそうだ。貴金属相場は、現在、安値水準で三角保合いを形成しているので、どちらに放たれるか注目したい。下方ブレイクであれば、自信をもってユーロのショート戦略を維持できるが、もし上方ブレイクであれば、EUR/USDの急反発に警戒した方がいいのかもしれない。

なお、4月30日の記事を書いた時点では、EUR/USDは4月18日安値1.41559以下の水準でEUR/USDをロングし1.57水準への上昇を期待していたが、ギリシャのデフォルトが間近であることを踏まえると、楽観的なシナリオは描きにくくなった。