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USD/JPY相場の行方が混迷を極めている。先週末の雇用統計後の急上昇は上値の重さを確認するだけだったが、下値も崩れる気配はない。ただ、2月中旬にレジスタンスラインを突破したにも関わらず、上放れできなかった相場を見て、2000年4月高値をつけた後に急落した日経平均株価と似た雰囲気を感じている。
当時、再び上昇すると周囲の人が言っているのを見て、すべてを手仕舞いしたのを覚えている。USD/JPY相場が最後の下落の前に大きく戻ると期待する声が多すぎると感じるのは私だけだろうか。
上のチャートはUSD/JPYの4時間足にエリオット波動をラベリングしたもの。USD/JPY相場は昨年11月に80.235円の安値をつけた後、80〜85円のレンジで推移している。

このレンジ内の波動パターンを見ていると、どうもジグザク(5-3-5)とフラット(3−3−5)を組み合わせた複合パターンによる調整が進んでいるようだ。上のチャートではジグザク後にX波を挟みフラットが示現するダブルスリーの軌跡を記載している。2000年4月高値を示現する前の日経平均株価の日足チャートにも示現したパターンだ。
今回のケースでは、各波動の小勢波の形状にはっきりしない部分があるので、ひょっとするとダブルスリー(5−3−5−3−3−3−5)ではなくダブルジグザグ(5−3−5−3−5−3−5)かもしれないが、いずれにしても2月16日高値83.959円はしばらく破られない高値になると思う。
このシナリオが正しければ、この高値が上方突破されるのは、史上最安値を更新した後になりそうだ。

チャート・パターンから導き出される当面の下値目処は78.24〜79.33円。到達時期は5月下旬〜6月上旬が有力だ。
もし、長期分析で示したように更なる急落が6月前後でない場合は、USD/JPYは長期的にダブルボトムで底入れという形になるかもしれない。